矯正治療中の酸蝕歯(さんしょくし)予防
歯科衛生士の砂子です。
年末年始が近づき美味しい食事をたくさんとる季節になりました。
矯正治療中の飲食、気を使いますよね。
酸蝕歯(さんしょくし)という言葉はご存知ですか?
むし歯予防、歯周病予防はよく聞くと思います。
酸蝕歯(さんしょくし)は近年むし歯、歯周病に次ぐ第三の歯科疾患で
生活習慣病の一つとされています。
今回のブログでは酸蝕歯(さんしょくし)についてお話したいと思います。
酸蝕歯(さんしょくし)って何?
酸の作用によって歯がとける酸蝕歯(さんしょくし)。
むし歯や歯周病はプラークという歯につく汚れにより引き起こされるのですが、
酸蝕歯はどれだけ丁寧にブラッシングしていても酸性飲食物の取りかたによって引き起こされます。
酸蝕歯は、細菌によるものではなく飲食による化学的な損傷の一つで、
歯の表面のエナメル質が溶けてしまった状態です。
酸性飲食物を取らないという生活は難しいので、酸に対する知識を得ることで予防しましょう!!
酸蝕歯とはどんな症状?
・虫歯ではないのに歯がしみる(知覚過敏)
・歯が薄くなり、食べ物を噛む際に痛みを感じる
・歯が透けてみえる
・歯が短くなる、小さく丸くなる
・かみ合わせの部分に小さい穴があく
・歯の表面がギザギザになる
・歯にツヤがなくなる
・歯が黄色くなる
酸蝕歯の原因は?
酸蝕歯は歯の表面にあるエナメル質が酸によって溶けだすことで起こります。
エナメル質はPh5.5以下になると溶けやすくなり、
酸性の強い飲食物(柑橘類、酢、炭酸飲料)を頻繁に摂取すると
歯が溶けてしまいます。
また逆流性食道炎や嘔吐を伴う接触障害で
胃酸が高頻度で歯に触れる場合も
酸蝕歯になる原因の一つです。
酸性飲食物を取ったあとは…
酸性飲食物を取らないというのは現代の生活において難しいと思います。
流行性の病気を予防するには乳酸菌が推奨され、夏場の熱中症対策としてスポーツドリンクは欠かせません。
対策として取った後にどうするか、また取りかたを少し頭に入れておくだけでも酸蝕歯の予防へつながります。
①お茶や水をすぐに飲む
酸性飲食物で終わらせないでお茶や水を飲むことにより、お口の中が中和されます。
ブクブクうがいも効果的です。
②だらだら食べや飲みをしない
唾液の働きによってお口の中を酸性から中性へ戻してくれますが、その作用が働くのは食後20分後と言われています。
ようやく中性に戻ろうとしているところに酸性飲食物をとるとまた大きく酸性へ傾きます。
規則正しい食生活は酸蝕歯の予防へとつながります。
よく噛んで唾液を多く出すことで唾液の成分が働き良い作用を促してくれます。
キシリトールやポスカなどガムを噛むこともオススメします
唾液の働きについては過去ブログへどうぞ
https://www.horii-kyousei.com/blog/adult/post_6542/
③歯を強くする歯磨き粉を使おう
フッ素配合の歯磨き粉や、エナメル質を強化する歯磨き粉をつかうことで、歯を酸から守り強くすることが出来ます。加えて硬めの歯ブラシではなく、歯の表面に刺激の少ない柔らかめの歯ブラシを使うことが大切です。
④歯科医院で定期的なメインテナンスを~
酸蝕歯は歯に付いた汚れが原因で起こるわけではありませんが、
定期的に歯科医院に通うことにより、その時のお口の中の変化を確認することが出来ます。
症状があるときだけではなく、定期的にメインテナンスを受けておきましょう。
最後に…唾液検査で自分の口腔内を知ろう
ほりい矯正歯科クリニックでは矯正治療前の検査で、唾液検査を行っています。
検査によりご自身の口腔内の酸性度や唾液の力を知ることが出来ます。
結果を踏まえて対策をお話して、治療へと入ります。
むし歯予防
歯周病予防
酸蝕歯の予防
をして健康な歯と歯並びを目指しましょう!!