2023.12.09 大人の矯正

むし歯予防効果のある食べ物?

こんにちは、歯科医師の嶋本です。

日が暮れるのも早く、寒くなってきたのでお家で過ごす時間が延びる方も多いと思います。

年の瀬も近づき、クリスマスや忘年会など外食の機会も増える方も多いかもしれません。

いずれの場合もついつい食事時間が長くなったり、間食が続いてしまいがちです。

むし歯予防には歯磨きが一番大事ですが、次に重要なのは食生活や間食といえるでしょう。

では身近な食べ物でむし歯を予防することは出来ないか考えてみました。

キシリトールの正しい知識(スタッフブログへ)

むし歯予防には「キシリトール」が有名ですが、WHO(世界保健機関)によるとキシリトールより更にむし歯予防効果が高いと報告されている食べ物があります。

それは・・・チーズです!

―チーズのむし歯予防効果

食べ物を食べると口の中が酸性になり、歯のエナメル質が溶けやすくなります。歯が溶ける状態が続くと歯の表面からカルシウムが溶け出してむし歯が始まります。

歯磨き剤に含まれるフッ素は ①再石灰化の促進 ②歯質強化 ③むし歯菌の抑制、3つの効果でむし歯を予防していますが、チーズも次の3つの効果でむし歯を予防します。

①チーズには口の中をアルカリ性にする効果があるため、むし歯が生じにくくなります。

②チーズに多く含まれるリン酸カルシウムは、歯のミネラルやカルシウムを補充することで歯の再石灰化を促します。

③チーズに含まれるカゼインというタンパク質が歯表面のエナメル質に吸着することで、むし歯菌の付着が抑制されます。

―オススメのチーズの種類

チーズは長い歴史のある食品でチェダー、モッツァレラ、ゴーダなどが有名ですが、

乳の種類、使用する微生物、加工方法等により世界中に1000種類以上あると言われています。

その中でむし歯予防に効果的なのはハードタイプに分類されるチーズです。

ハードタイプは1~3年長期熟成させて作る硬いチーズで、粉状にして料理に使われることもあり、代表的なものにはチェダー、ラクレット、パルミジャーノ・レッジャーノ、パルメザンなどがあります。

ハードタイプのチーズは水分量が少なく、カルシウムとリン酸が多く含まれており再石灰化に効果的です。また、硬いチーズはしっかりと噛む必要があるため唾液の分泌を促します。

 

―オススメの食べ方

チーズのむし歯予防効果をより高めるためには、食後に2-3口のチーズをよく噛んで食べるのがオススメです。チーズの成分が唾液に溶け出すことで効果が出やすくなります。

また、歯磨きは成分がすすがれてしまうため、少し時間をおいてから行ったほうが効果的です。

―まとめ

むし歯予防にはお口の健康に興味を持ち、歯磨きや食生活を少しでも向上する意識が大事です。機会があれば、食後に2-3口のチーズをよく噛んで食べてみてください。

ちなみに一緒に口にする機会も多いワインは酸が強く糖分も含まれているため、歯にダメージを受けやすい飲み物です。是非チーズと一緒に嗜むことをお勧めします。