スマホ首とかみ合わせは関係あるの? ~姿勢がお口の健康に与える影響~
スマホ首ってどんな状態?
私たちの頭の重さは、体重にもよりますが約4~6kgあります。これはボウリングの球ほどの重さです。
本来は首の骨がゆるやかなカーブを描き、この重さをバランスよく支えています。
しかし、スマートフォンを見るときは、無意識のうちに顔が前に出て、下を向いた姿勢になりがちです。
この姿勢が長時間続くと、首や肩の筋肉が緊張し、首への負担が大きくなります。
これが「スマホ首」や「ストレートネック」と呼ばれる状態です。
首とあごは別々ではありません
「首とあごって関係あるの?」と思われるかもしれません。
実は、あごを動かす筋肉の一部は首の筋肉とつながっています。
そのため、頭が前に出た姿勢が続くと、首だけでなくあごの周りの筋肉にも余計な力が入りやすくなります。
その結果、
- あごが疲れやすい
- 口を大きく開けると違和感がある
- あごを動かすと音がする
- 食いしばりや歯ぎしりが気になる
- 朝起きるとあごがだるい
といった症状につながることがあります。
もちろん、これらの症状がすべてスマホ首だけで起こるわけではありませんが、姿勢も影響する要素の一つと考えられています。
「スマホ首=かみ合わせが悪くなる」ではありません
ここで一つ、大切なことがあります。
現在の研究では、
スマホ首が直接かみ合わせを悪くするという証拠はまだ十分ではありません。
一方で、
- 首の姿勢
- あごの筋肉の緊張
- 顎関節の動き
には関連があることが、多くの研究で報告されています。
つまり、
「姿勢が悪いから必ずかみ合わせが悪くなる」
というわけではありませんが、
「姿勢が悪い状態が続くことで、あごや筋肉に負担がかかる可能性がある」
ということが現在の医学的な考え方です。
顎関節症やあごの不調は、
- 食いしばり
- 歯ぎしり
- ストレス
- 睡眠不足
- 姿勢
- 生活習慣
など、いくつもの要因が重なって起こると考えられています。
矯正治療中の方にも姿勢は大切です
矯正治療では歯をきれいに並べることはもちろんですが、お口は歯だけでできているわけではありません。
舌や頬の筋肉、あご、そして首や肩の筋肉も協力しながら毎日の「噛む」「話す」「飲み込む」といった動きを行っています。
そのため、姿勢を整えることは、お口の周りの筋肉への負担を減らすことにもつながります。
今日からできるスマホ首対策
毎日の生活の中で、少し意識するだけでも首やあごへの負担を減らすことができます。
・スマートフォンをできるだけ目の高さに近づける
・30~60分ごとに立ち上がって首や肩を動かす
・深く座り、背中を丸めすぎない
・頬杖をつく習慣を減らす
・左右どちらかだけで噛む癖があれば意識して改善する
小さな積み重ねが、お口だけでなく全身の健康にもつながります。
気になる症状はお気軽にご相談ください
「口を開けると音がする」
「朝起きるとあごが疲れている」
「食いしばりが気になる」
「矯正中だけど肩こりもひどい」
このような症状がある場合は、お口の中だけでなく、あごの動きや生活習慣を確認することで改善のヒントが見つかることがあります。
当院では、歯並びだけでなく、お口全体の機能やバランスも大切にしながら診療を行っています。
気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
参考文献
- Rocha CP, Croci CS, Caria PHF. Is there relationship between temporomandibular disorders and head and cervical posture? A systematic review. J Oral Rehabil. 2013;40(11):875-881.
- Armijo-Olivo S, et al. The association between head and cervical posture and temporomandibular disorders: a systematic review. J Orofac Pain. 2006;20(1):9-23.
- Ruzzene M, et al. Correlation between Temporomandibular Disorders (TMD) and Posture… J Clin Med. 2023.
- Sayed Abdul N. A Systematic Review on the Impact of Smartphone Usage on Temporomandibular Disorders. Cureus. 2025.














