上あごの傾き(CANT)とあごの曲がりは矯正治療で治る?

初診のご相談をお受けする中であごの曲がりを主訴とされる方が一定の割合存在します。こういったケースでは下あごの曲がりに加え上あごに傾き(CANT)があるケースがほとんどです。
そもそもあごはなぜ傾き曲がるか?その原因
上あごの傾きや曲がりは顔の歪みとして現れます。しかし、左右対称のヒトは存在しません。心臓も左側にありますよね。これと同じで左右で少しずつ機能の違いがあり、完全な左右対称にはならないのです。但し、このゆがみの程度が大きい方があごの曲がり、顔の歪みとして現れます。
上あごの傾きや曲がりの原因の多くは、曲がって成長してしまった。ということです。利き腕があるように利きあご(?)があり、左右どちらか咬みやすい方があります。これを習慣性咀嚼側といいます。成長期にどちらか咬みやすい方でばかり噛んでいると、よく使う方の筋肉が発達し、強く引っ張るためあごの骨格の上下方向の成長量が少なくなり、反対側がこれを補うように成長してゆくためあごが曲がって成長してゆきます。
矯正治療で治るか?
矯正治療で上あごの傾きやあごの曲がりは治るのでしょうか?
結論から言えば、矯正治療単独ではNOです。やはり上あごの傾きやあごの曲がりは外科的にあごの骨を動かさないと治りません。但し、軽減することはできます。




初診時年齢29歳の女性 あごの曲がりを主訴として来院された。下顎が右側へ偏位し下顎の大臼歯は右側が著しく内側へ傾いていた。上顎飲み小臼歯抜歯を行っていただきマルチブラケット装置を使用し顎離断術を併用した外科矯正を行い、咬合を改善した。あごの曲がりも軽減した。動的治療期間3年9か月間 治療費の目安 保険診療


初診時年齢8歳の男児 上あごの幅が狭く、向かって左側の奥歯が反対咬合になっていた。偏位咬合と診断し。上あごを拡大装置で拡大しながら右側で噛むよう指導した。同時に前歯もマルチブラケット装置で整えた。動的治療期間1年6ぁ月間 治療費の目安45万円程度
成人の場合;成人となると骨は出来上がってしまっていますから、本格的に上あごの傾きやあごの曲がりを治すとなると上下のあごを手術によって移動してやるしかなくなります。しかし、骨の周りには筋肉がついています。そして、この筋肉が引っ張ることで成長が変化してきたわけです。よく使う筋肉は発達します。従って、上あごの左上がりの傾きがあり下あごが左へ曲がっている場合、右側の筋肉をよく使うようにすると筋肉が発達し曲がりが軽減して見える場合もあります。




初診時年齢19歳の女性 前歯部の叢生とあごの曲がりを主訴に来院された。小臼歯を抜歯していただきマルチブラケット装置を使用して動的治療を行った。治療当初から左側で噛むよう指導した。治療後はあごの曲がりが軽減したように見える。動的治療期間2年1か月間 治療費の目安75万円程度(治療開始時)
上あごの傾きやあごの曲がりを見つけたら噛み癖を治すとこれらが軽減するかもしれません。











